マテキフルートの歩み 2
「国内ではまず売れないと思ったし、また売る予定もありませんでした。だから外国の人が発音しやすく短い<マテキ>にしました。<magic flute>といえば、コンベンションでも興味を引きますし」 マテキフルートは輸出専門のメーカーとして始まり、社名もそれを前提として考えられたものだった。当時、海外では、日本産のフルートはどのメーカーも同じようなもので個性がないと考えられがちであった。そこで渡辺氏は決意をする。 「今はそうではありませんが、そのころ日本のフルートメーカーでは、社内で作れない部品を外部の会社に作ってもらう『外注』が盛んに行われていました。しかし外注先の数が少なかったので、どのメーカーも同じ会社の部品を使うようになる。そうすると見た目が似てくるのも当然です。マテキ独自の楽器を作るには、できるだけ外注加工しないで社内でやるしかないと思いました。」 …
マテキフルートの歩み
新年早々マテキフルート廃業のお知らせが飛び込んできて、インターネット上でも皆さん驚かれていたり、残念がっていたり。でも2週間ほど過ぎた今は、話題にする人も少なくなりました。もちろん楽器はしっかり残っていて、それを大切に使い続けている方がたくさんいらしゃるのでしょうが、情報が流れ、そして消えていくスピードがあまりに早いことに寂しさと危機感を覚えます。そんなこともあり、私は創業当時のことを知っているわけではないのですが、ここで資料をもとにその足跡を辿って行きたいと思います。 …
マテキフルートと私。
出会いは大学4年生の夏休み。私は新卒採用の島村楽器講師試験に合格し(実は島村楽器の講師とインストラクターの違いをよくわからずに受験してしまい、のちにインストラクターに変更してもらうのですが‥笑)、配属はどこかわからないけれど、もし地方で教えるなら簡単な修理ぐらいはできないと!と考えていました。東京のどこかでリペア講習会があるという情報を見つけ、それに申し込むつもりだと師匠に話したところ、マテキフルートに行きなさい!と。でも実は、当時私はバッリバリの(?)ムラマツユーザー。そんな私が行ってもいいのかしら?と思いつつも、師匠の強い勧めもありお世話になることになりました。 …
マテキフルート廃業のお知らせ
新年早々、とても残念なお知らせをすることになってしまいました。長年お世話になっていたマテキフルートさんが、昨年末をもって廃業されたとの連絡をいただきました。 数年前にも廃業とのお話が出たことがありましたが、その時は社長さんが変わり、新たに「フルート工房マテキ」として再スタートされていました。しかし今回は本当に製造を終えたようです。 …
ピアニストさんの書いた本。
エレーヌ・グリモーさん。昔ちらちらと聴いた時には、私には刺さりすぎるような肌感覚があって、好んで聴くことはあまりありませんでした。でもその印象が少し変わったのがこのアルバム。 大好きなピアニスト、アレクセイ・リュビモフのコンサートに行って聴いたシルベストロフ。グリモーさんの演奏もいいなぁ‥と、今のグリモーさんに興味を持ち始めた時に、新しい本が出版されていたのを知ったのでした。 …
釧路へ行ってきました!
以前釧路でレッスンをしていた時に、「ソノリテに書いてある、舌を外に出すタンギングをやってみたんですが、これってどうなんでしょうか?」と質問をしてくれた方がいらっしゃいました。 ただ、当時の私にとって、モイーズは今よりも遠い存在だったので、「モイーズはそうしていたらしいですが、今は使わないと思います」というような答えをしたように記憶しています。 モイーズモデルという楽器を持っていろいろ検証する中で「なるほどー!」とわかることがたくさんあって、今ならもっと多角的に解説できるのになぁ‥とよく思い出していたのですが、それを行う機会をいただけて本当にうれしかったです。 …