増永弘昭先生の思い出
私は学生時代に数回、増永弘昭先生のレッスンを受講させていただきました。先生がお亡くなりになる1〜2年前のことだったと思います。大阪出身の先生は私のことを「姫路のおばちゃん」(弱冠ハタチでしたが。笑)と呼んで、気さくに、でもとても熱心に教えてくださいました。 でも、みなさんご存知の通り、私はそのあと昔のフランスの楽器や奏法を研究するようになり、せっかく先生が教えてくださったH・P・シュミッツ氏から受け継がれたドイツの伝統から離れてしまったことを申し訳なく思っていました。 そんな中、モイーズモデルのフルートを持ち、奏法を考えている時に、ふと、 …
ルネ・ル・ロワのこと。
私が古き良きフランスのフルートに魅せられまず聴いたのは、フェルナン・デュフレーヌ。そして、金のルイロットを吹いていた頃のランパルの録音を集め‥。maillechortの楽器に出会ってからモイーズを聴くようになり、最近はさらに興味の対象が広がっています。いつも感じるのは、それぞれに素晴らしい!ということ。私はやはりこの時代の(と言っても随分広い、笑)フランスの奏者が大好きです。 そんな中で出会ったのが、ルネ・ル・ロワ。私よりもずっと上の世代の方は録音などにも触れていらっしゃったかも知れませんが、私にとっては「オネゲルの『めやぎの踊り 』を献呈された人」ということがまず頭に浮かび、資料の中でお名前はよくお見かけするけれど …