「踊り子」で知られる、エドガール・ドガ(1834-1917)。

『踊りの花形(エトワール、あるいは舞台の踊り子とも呼ばれる)』(1878年頃) オルセー美術館
“Ballet – L’étoile”

そのドガの絵画に「オペラ座のオーケストラ」という作品があるのはご存知でしょうか?

『オペラ座のオーケストラ』(1870) オルセー美術館
“L’Orchestre de l’Opéra”

この作品、よくよく鑑賞するととても面白い!
まず、手前はドガと親交のあったバソン奏者、デシール・ディハウだそうですが、現代の「ファゴット」のような楽器ではなく、フランス式の「バソン」を吹いていることがわかります。私はこの時代のフランスの管楽器の独特の響きが大好きなので、大注目してしまいました。

そして、その奥にいらっしゃるフルート奏者!この方は、皆さんよくご存知のアルテスさんで間違いないと思います。アルテスは1826年生まれ。この時44歳でしょうか?アルテスはトゥルーの生徒だったので、最初は下の写真のような多鍵式のフルートを使っていたのだと思われますが、この時には銀製のベーム式を吹いているように見えます。

(有田正広氏「パンの笛〜フルート、その音楽と楽器の400年の旅」ライナーノーツより)

アルテスの教本の初版が出版されたのはこの絵から10年後の1880年。私はこの初版に興味があり、色々と調べていると興味深いことにたくさん出会いました。長くなってしまうので、それはまたいつか。(レッスンでは大いに語らせてもらっています、笑)