演奏に直結するソルフェージュを目指して。

ソルフェージュとは、西洋音楽の学習において楽譜を読むことを中心とした基礎訓練のこと(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A5)。

世界には楽譜のない音楽もたくさんあってそれもまた素晴らしいのですが、クラシック音楽を演奏する場合には「楽譜を読める」ということが大前提となります。

幼い頃からピアノを習っていた人などは当たり前にできることかも知れませんが、そうでなかった人には少々トレーニングが必要。今日はおもに、中学生ぐらいで吹奏楽などをきっかけにフルートを始め、楽譜を読むのがちょっと苦手な生徒さんに私が行っているレッスンをご紹介したいと思います!(中高生には専門的な内容も多く含めていますが、大人の初心者の方はもう少しのんびりしたレッスンをしています^^)

まず、楽譜を読むために必要なのが、リズムを正しく捉えられること!最初はリトミックで小さなこどもがやるようなものからゆっくりと、拍と拍子に慣れていきます。そして、少しずつ複雑なものに。取りづらいところは「ここは罠よ!気をつけて!」なんて言いながら、リズム遊びという感じで楽しくやっています。これをレッスンで継続すると、みなさん1〜2年くらいで、変拍子を含む複雑なリズムなどもちゃんと取れるようになります!



吹奏楽の楽譜には細かい音符や複雑なリズムがよく出てきますが、ソルフェージュが追いついていない状態でなんとなく吹いている人がとても多いです。コンクール前だけレッスンをお願いされたりすると、細かいリズムが違っていてそこを直すだけで時間がかかってしまってとても悲しい‥(本当はもっと音楽的なことをやりたいのに!)。より音楽を楽しむためにも、読譜に時間をかけなくてすむソルフェージュ力を持っていることがとても大切なのです!!

そして。リズムが取れるようになったら、次は和声。今、中学生の生徒さんにはこんな課題をやってもらっています。

メロディーだけではなく、それぞれの和音のアルペジオもフルートで吹いてもらいながら、メロディーと和音の関係を掴んでいきます。

私がこういう練習をレッスンに取り入れようと思ったのは、古楽の勉強がきっかけでした。大学時代にも和声学と分析は勉強していたものの、それを演奏の表現の部分に直結させることはあまりできていなかった私。でも、古楽のレッスンで「通奏低音の数字に見合う表現かどうか」ということを指摘されて目から鱗が落ちたのです。

難しい理論を勉強しないとダメ!と言いたいのではなく、和声を知ると音楽の持つエネルギーと方向性がわかり、メロディーをどう演奏すべきか悩んだり迷ったりすることがグンと減ります。そして、音楽をより深く感じ、味わうことができます。なので、こういうことを知っている方が、音楽に触れる幸せが広がると私は思うのです。そして、そんな視点を教えてくれた古楽と古楽の専門家さんたちには本当に尊敬と感謝でいっぱいです。

私が、演奏に直結するソルフェージュのレッスンをしたい!と思い立って教材を探したとき、日本で出版されているのは音大受験を前提としているものがほとんどでした。絶対音感をつけ、聴音と視唱の練習を重ね、その試験で点数が取れることを目指すもの。もちろん受験にはそういったトレーニングが必要なのかも知れませんが、私は、より深く音楽を味わい、楽しみ、より良い演奏をするための理論レッスンをしたいと思っています。

私自身、まだまだ修行中、勉強中ではありますが、生徒さんと一緒に楽しく学んでいけたらと思います。中学生の生徒さんにはちょっと難しいことも話しているけれど、いずれ素敵な花を咲かせてくれると信じています^^